お父様からご息子へのラストメッセージです。特別な許可をもらって掲載しています。
※特別な許可をもらって掲載しています。
雅人へ
職業柄こんな事もあるかと思って君にメッセージを残しておきました。届いてよかったよ。机の中に手紙を入れておくのも心配だし、お母さんに見られるのも嫌だからね。
私は良い父親だっただろうか?自分が歳を重ねるごとに、自分が君に教えてきた事、いや押し付けていたことを後悔しています。良い学校に行け、良い会社に入れとかしか君にはいえなかった。それが君を苦しめ、そして人生にそれほど大きな意味を持たない事も最近、わかった気がする。自分自身が良い学校も出ていないし、安定した暮らしもしていなかったので君にはそうなって欲しくなく、自分のようになるなと何処かでずっと思っていたんだと思う。もっと君が好きだった事、やりたかったことを応援してあげればよかったと思っている。申し訳なかった。
でも君の存在がどれだけ私の活力に生きる希望だったか計り知れない。それだけは信じてほしい。雅人の歌う鼻歌がとても好きだった。でも私は良くそれをうるさいと怒っていた。。。これからは自分の人生だから、色々と辛い事もたくさんあるだとうけど、楽しく後悔しないように生きてほしい。そして君の子供ができたら自由に楽しく生きていけるように育ててほしい。私はもっと生きたかった。君ともっと酒を飲んだり、話がしたかった。それだけが心残りです。
お母さんを宜しく頼む。お母さんにとっては君が全てだ。お母さんはまだ若い。だから彼女が私の事でずっと悲しんでしまうのではなく、新しい人生を楽しめるように見守ってほしい。もし良い人がいたら再婚も勧めてほしい。女性は寿命が長い。これから一人で生きて行かせるなんて私にはできない。ずっと励まして見守ってほしい。私のアルバムが入っている引き出しがある。(雅人の写真をよく眺めていたよ。)その引き出しに貯金通帳やキャッシュカードがある。知っている通り、お母さんはお金の管理が苦手だ。君が管理してお母さんの良いように使ってもらうようにして下さい。君は銀行マンだから得意だろう。暗証番号は君の誕生日です。
私は墓はいらない。好きなハワイと泉佐野の海に散骨してくれればいい。戒名もいらない。まあ、写真だけでも飾ってくれれば良いよ。そしてたまには話しかけて下さい。写真はこのメールに添付してあるからこれを飾ってくれ。お母さんはよくわからないだろうから、君が綺麗にプリントしてほしい。
照れ臭いけど、生まれてきてくれてありがとう。まだ昨日のことのようです。
ありがとう。
父より